自然言語処理AIのChatGPT(チャットGPT)が脚光を浴び続けている。この新たなテクノロジーを使って課題に立ち向かいます。
今回のフレームワーク「ECRS(イクルス)」を用いることで、ChatGPTが多岐にわたる課題のヒントを与えてくれます。
この記事では、ChatGPTがどのようにECRSを用いて課題を解決するのか、またサンプル事例についても紹介します。
ChatGPTの可能性を知り、その利用方法を学ぶことで、ビジネスや個人の課題を解決するための新たな道が開けます。
是非、本記事を読んでChatGPTの魅力に触れてみてください。
当サイトは、「AIと仕事」をテーマにChatGPTのプロンプト例や現場での実践法。AIがサポートするビジネスフレームワーク作成などの情報を提供しています。また、仕事で使用している便利なAI・ITツールについても紹介していきます。是非、ご覧ください。
ChatGPT(チャットGPT)で解決できる課題とは?
ChatGPTが解決できる課題は、幅広くあります。自然言語処理の分野では、文章生成や翻訳、質問応答、要約などに対応できます。
また、ビジネス分野では、顧客対応やチャットボット、マーケティング戦略の策定などに活用することができます。
今後は、AIも進化して医療や法律、科学技術などの分野でも専門的な知識を用いて、さまざまな問題解決や情報提供を行うことが期待できます。
近い将来ChatGPTは、高い汎用性を活用することで、人的コストを削減し、迅速な課題解決を実現できる未来がくるでしょう。
課題解決フレームワークECRS(イクルス)とは?
ECRSとは、英語の頭文字をとったもので、Eliminate(排除)、Combine(結合)、Rearrange(交換)、Simplify(簡素化)の4つの手順からなります。
課題解決フレームワークECRSの手順
①排除(Eliminate)
・ 業務の中で不要な作業を特定し、その作業を削除する
・不必要な書類の作成や報告の簡素化
②結合(Combine)
・ 重複する業務を1つにまとめる
・ 一部の業務を同じタイミングで行うことで、時間の節約になる
③交換(Rearrange)
・ 業務の順序を変更することで、より効率的に行う
・ 業務をより効率的な場所や方法で行うための改善
④簡素化(Simplify)
・ 複雑な業務を簡素化する
・ 必要な情報を見つけやすくするために情報の整理と整合性をとる
・ 自動化や技術の導入を活用して業務を簡素化する
以下にECRSフレームワークの各ステップについて、具体的な事例を示します。
【排除(Eliminate)】
あるオフィスにおいて、毎日20人の従業員が集まり、打ち合わせを行っています。
しかし、全員が毎回必ず参加する必要はなく、必要な人だけ参加すれば十分な場合が多かったため、参加者を減らすことによって打ち合わせ時間の短縮と効率化を図りました。
【結合(Combine)】
ある会社では、営業部門と製造部門がそれぞれ独自の伝票を作成していました。
しかし、受注から出荷までの一連のプロセスを一元化することで、伝票の重複をなくし、業務の効率化を図りました。
【交換(Rearrange)】
ある飲食店では、客席とレジが離れた場所にあったため、スタッフがわざわざレジ打ちのため移動するのに時間がかかっていました。
そこで、レジを客席の近くに移動させ、スタッフとレジとの距離を縮めることにより、精算のスピードアップを図りました。
【簡素化(Simplify)】
ある製造会社では、各部門が紙ベースの書類を使用していました。
しかし、紙の書類は管理が煩雑であり、情報漏洩のリスクもありました。
そこで、全ての書類を電子化することで、情報の管理を簡素化し、情報漏洩のリスクを軽減しました。
以上のように、ECRSフレームワークを適用することで、業務プロセスの改善や効率化が可能になります。
ChatGPT×ECRSの実践例①
では、実際にChatGPTと会話をしながらECRSのフレームワーク作成していきます。
※会話の冒頭に【ユーザー】か【ChatGPT】なのか分かるようにしていきます。
👈この緑線の枠の中が【ユーザー】のプロンプト(指示文)です。
👈この薄黄色の背景の部分が【ChatGPT】の回答になります。
【ユーザー】
あなたは超一流の業務改善専門コンサルタントです。「ECRS」のフレームワークを用いてABC工場の業務改善を具体的に表にして作成してください。
(ABC工場での問題)
・手順書に不要な工程がある
・製造業の工場において、製品の品質に問題がある
・材料の補充が適切に行われていない
・作業員が材料の不足を補充するために作業を中断することが多くある
・生産ラインの異常が発生した場合には、各作業員が自己流で対応していた
(回答のルール)
・Eliminate(排除)、Combine(結合)、Rearrange(交換)、Simplify(簡素化)の順番で1つずつ回答してください。
・ABC工場での問題のなかに「ECRS」のフレームワークでの回答がない場合は、他の業務改善の提案をしてください。
それでは「Eliminate(排除)」からお願いします
【ChatGPT】
ABC工場での業務改善において、Eliminate(排除)の観点から考えると、以下のような改善策が挙げられます。
1. 手順書に不要な工程を排除する
手順書に不必要な工程があることが問題の1つであるため、不要な工程を排除することで、作業時間を短縮し、生産性を向上させることができます。
2. 作業員が自己流で対応することを排除する
生産ラインの異常が発生した場合に、各作業員が自己流で対応していることが問題の1つであるため、定められた対応手順に沿って、各作業員が適切な対応を取るように指導することで、品質の向上や生産性の向上につなげることができます。
以上が、Eliminate(排除)の観点から考えられる改善策です。
【ユーザー】
次は「Combine(結合)」の観点から考えてください
【ChatGPT】
次に、ABC工場の業務改善において、Combine(結合)の観点から考えると、以下のような改善策が挙げられます。
1.補充と作業を同時に行う
材料の補充が適切に行われていないことが問題の1つであるため、作業員が材料を補充するときに、補充と作業を同時に行うことで、作業員が作業を中断することを防ぎ、生産性の向上につなげることができます。
2.品質検査と作業を同時に行う
製造業の工場において、製品の品質に問題があることが問題の1つであるため、作業員が作業を行う際に、同時に品質検査を行うことで、品質の向上につなげることができます。
以上が、Combine(結合)の観点から考えられる改善策です。
【ユーザー】
次は「Rearrange(交換」の観点から考えてください
【ChatGPT】
次に、ABC工場の業務改善において、Rearrange(交換)の観点から考えると、以下のような改善策が挙げられます。
1.生産ラインの配置を変更する
生産ラインの異常が発生した場合に、各作業員が自己流で対応していることが問題の1つであるため、生産ラインの配置を変更し、異常が発生した場合には専用の担当者が迅速に対応できるようにすることができます。
2.材料の保管場所を変更する
材料の補充が適切に行われていないことが問題の1つであるため、材料の保管場所を変更し、作業場所の近くに置くことで、作業員が材料を補充するときの移動時間を短縮し、生産性の向上につなげることができます。
以上が、Rearrange(交換)の観点から考えられる改善策です。
【ユーザー】
次は「Simplify(簡素化)」の観点から考えてください
次に、ABC工場の業務改善において、Simplify(簡素化)の観点から考えると、以下のような改善策が挙げられます。
1.手順書の見直し
手順書に不要な工程があることが問題の1つであるため、手順書の見直しを行い、不要な工程を省くことで、作業の簡素化を図ることができます。
2.機械化・自動化の導入
作業員が材料の不足を補充するために作業を中断することが多くあることが問題の1つであるため、機械化・自動化の導入により、材料の補充を自動化することで、作業の中断を減らし、生産性の向上につなげることができます。
以上が、Simplify(簡素化)の観点から考えられる改善策です。
ChatGPT×ECRSの実践例②
【ユーザー】
あなたは超一流の業務改善専門コンサルタントです。「ECRS」のフレームワークを用いてABC工場の業務改善を具体的に表にして作成してください。
(ABC商社での問題)
・営業部門において、営業成績が低迷しているという状況
・顧客情報の管理が不十分であり、顧客からの問い合わせに対する返答が遅れる
・営業プロセスにおいて、業務を適切に委譲・共有することができていない
・業界は拡大傾向にあるが市場シェア率が年々低下している
・年配の社員比率が高く、若手社員が育っていない
(回答のルール)
・Eliminate(排除)、Combine(結合)、Rearrange(交換)、Simplify(簡素化)の順番で1つずつ回答してください。
・ABC商社での問題のなかに「ECRS」のフレームワークでの回答がない場合は、他の業務改善の提案をしてください。
それでは「Eliminate(排除)」からお願いします
【ChatGPT】
ABC商事の業務改善において、Eliminate(排除)の観点からは以下の提案が考えられます:
1. 不要な業務の削減:
現在、営業部門が抱えている問題を解決するために、不要な業務を削減することが必要です。
例えば、顧客情報を複数のシステムに分散して管理している場合は、情報を1つのシステムに統合し、重複する作業を排除することができます。
2. 再評価が必要な業務の削減:
過去に有効だった業務やプロセスが今日有用ではなくなっていることがあります。
そのような業務を特定し、再評価することで、余分な作業や時間の浪費を排除できます。
3. 非効率なプロセスの排除:
現在のプロセスには非効率な点がある場合、そのプロセスを見直し、改善することが必要です。
例えば、顧客からの問い合わせに対する返答が遅れている場合、問い合わせを受け取る部署の体制や、情報共有の仕組みを見直すことができます。
以上のように、業務改善においてEliminate(排除)の観点からは、不必要な業務やプロセスの削減、再評価、非効率なプロセスの改善が重要なポイントになります。
【ユーザー】
次の「Combine(結合)」の観点から提案してください
【ChatGPT】
ABC商事の業務改善において、Combine(結合)の観点からは以下の提案が考えられます:
1. 顧客情報の統合:
現在、顧客情報が複数のシステムやファイルに分散して管理されている場合は、これらを統合し、1つのシステムで管理することができます。
これにより、顧客情報をより正確かつ迅速に管理でき、返答が遅れる問題を解決することができます。
2.営業プロセスの統合:
営業部門の業務を共有することで、営業プロセスを統合することができます。
例えば、顧客からの問い合わせに対応するために、営業部門とカスタマーサポート部門を統合し、顧客に対するサポート体制を一元化することができます。
3. 社員育成プログラムの統合:
若手社員を育成するためのトレーニングプログラムを統合することで、知識やスキルをより一貫性のある形で伝えることができます。
これにより、若手社員の成長を促進し、業務の効率化を図ることができます。
以上のように、業務改善においてCombine(結合)の観点からは、顧客情報やプロセス、社員育成プログラムの統合が有効な方法です。
これにより、業務の一元化や一貫性を高め、作業の重複や時間の浪費を減らすことができます。
【ユーザー】
次の「Rearrange(交換)」の観点から提案してください
【ChatGPT】
ABC商事の業務改善において、Rearrange(交換)の観点からは以下の提案が考えられます:
1. 営業プロセスの再設計:
営業プロセスを見直し、業務を適切に委譲・共有することができるようにします。
例えば、顧客からの問い合わせに対応するために、営業部門とカスタマーサポート部門を統合することができます。
また、営業プロセスを自動化することで、業務のスピードと正確性を向上させることができます。
2. システムの再構築:
現在使用しているシステムを見直し、よりスマートなシステムに切り替えることで、業務のスピードと正確性を向上させることができます。
例えば、顧客情報を統合したシステムを導入することで、顧客情報をより正確かつ迅速に管理することができます。
3.社員の配属先の再設計:
社員のスキルや特性に基づいて、業務に最適な配属先を設定することができます。
これにより、業務のスムーズな進行と生産性の向上を図ることができます。
以上のように、業務改善においてRearrange(交換)の観点からは、営業プロセスやシステム、社員の配属先を再設計することが有効な方法です。
これにより、業務のスピードと正確性を向上させ、生産性を高めることができます。
【ユーザー】
次の「Simplify(簡素化)」の観点から提案してください
【ChatGPT】
ABC商事の業務改善において、Simplify(簡素化)の観点からは以下の提案が考えられます:
1. 営業プロセスの簡素化:
現在の営業プロセスを見直し、不要な業務を削減することで簡素化します。
例えば、書類の手作業を自動化することで、手間や時間を大幅に削減することができます。
2. システムの簡素化:
現在使用しているシステムを見直し、必要のない機能を削除することで簡素化します。
これにより、システムの使いやすさが向上し、業務のスピードと正確性を向上させることができます。
3. 業務の標準化:
業務の手順やルールを明確にし、標準化することで簡素化します。
これにより、業務の品質が向上し、ヒューマンエラーを減らすことができます。
4. 社員のトレーニング:
社員のスキルを向上させるトレーニングを行うことで、業務のスピードと正確性を向上させることができます。
これにより、業務の簡素化と生産性の向上を同時に実現することができます。
以上のように、業務改善においてSimplify(簡素化)の観点からは、営業プロセスやシステムの簡素化、業務の標準化、社員のトレーニングなどを行うことが有効な方法です。
これにより、業務の効率化や生産性の向上を実現することができます。
【ユーザー】
本日の「ECRS」の回答を表にして書いてください
以下がECRSフレームワークを用いたABC商事の業務改善提案のまとめです。
ECRSフレームワークの観点 | 改善提案 |
Eliminate(排除) | 部門間の情報共有の不備を改善するため、情報共有のプロセスを明確化し、コミュニケーションを促進することで不要な情報の重複を排除する。 |
Combine(結合) | 営業プロセスの見直しとシステムの更新により、顧客情報の一元管理が可能になり、重複や不備を防止することで情報の結合を実現する。 |
Rearrange(交換) | 営業プロセスを見直し、顧客情報管理のプロセスを顧客とのコミュニケーションを中心に考えることで、顧客との関係性を強化し、営業成績の向上を図る。 |
Simplify(簡素化) | 営業プロセスやシステムの簡素化、業務の標準化、社員のトレーニングを行うことで、業務の効率化や生産性の向上を実現する。 |
以上が、ECRSフレームワークを用いたABC商事の業務改善提案のまとめとなります。
まとめ
この記事では、課題解決フレームワークECRSを使って最適解を見つけるために、ChatGPT(チャットGPT)がどのように活用できるかについて述べてきました。
ECRSを利用し、課題解決のプロセスを体系的に進めていく過程で、ChatGPTを活用していけば、会話形式でフレームワークに取り組むことができます。
ABC工場とABC商事の2つの事例を用いて、ChatGPTが導き出した解決策の提案内容は、アイデア出しの一部として利用していけば効率よくECRSを進めていくことができます。
更に、プロンプト(指示文)の内容を具体的かつ細かくすれば、ChatGPTが良いアイデアを提案できます。
今後、生成AIは課題解決のサポート役として確立していくのでぜひ活用してみましょう。